史 (律令制) (Shi (government post))

史(し)とは、日本律令制において神祇官・太政官(弁官局)に設置された大史・少史の総称。
四等官の4番目である主典(さかん)に相当する。
官位相当は神祇官の大史は従六位正八位、同少史は従六位従八位であるのに対して、太政官の大史は正六位上、同少史は従六位正七位とそれよりも高く位置づけられている。
定員は神祇官は大少各1名(全2名)、太政官は左右弁官局に大少各2名(全8名)。

古くから文筆を掌る官を「史(ふひと)」と呼び、この職に就いた渡来人系の氏族に対して史 (姓)のカバネが授けられる事があった。

律令制においては、上級者の命令を受けて公文書の記録・作成を掌り、公文書の内容を吟味して上級者の判断を仰ぎ、読申することを職掌とした。

太政官の史は、弁官が率いる弁官局に属しており、同局が左右に分かれていることから、左大史・右大史・左大史・左少史に各2名合わせて8名存在することから八史(はちし)とも呼ばれた。
後に弁官局の大史から五位の位階(大夫)に昇るものが現れるようになり、これを特に大夫史(史大夫)と呼んだ。
小槻奉親が五位の左大史に就任して以後、小槻氏(壬生家壬生家(小槻姓)・大宮家大宮家(小槻氏))は代々にわたって大史上席(官務)を務めたため、「官務家」と称され、太政官の記録・文書の伝領保存の任にあたるようになる。

職員

左大史(正六位上)二名
右大史(正六位上)二名
左少史(従六位正七位)二名
右少史(従六位正七位)二名
左史生 十名
右史生 十名
左官掌 二名
右官掌 二名
召使 二名
左使部 八十名
右使部 八十名

[English Translation]